その起源は約2000年前の縄文時代と言われる古代布、藤布。
藤の蔓の繊維から糸がつくられ、人の手で織り上げられます。科布や葛布などの他の自然布と同じく、非常に手間暇のかかる工程をいくつも経て生まれます。かつては日本各地で作られてiたようですが、現在では京都の丹後地方でのみ制作が続けられており、京都府伝統工芸品、そして国の重要有形民俗文化財に指定されています。
彩度をやや落とした涅色が近いでしょうか。茶がかったグレーを背景に、藤布そのものの色合いが生きる糸で変わり市松表現されています。
古代布の野趣溢れる素朴な風合いと現代的な意匠が合わさったこちらのお品は、お手持ちのお着物にそっと寄り添ってくれるかと思います。
通気性に優れ、着用感も軽やか、そして水にも強い特性は、酷暑が続く今の日本の夏でも快適にお締めいただけます。
一般的に「自然布は盛夏に締めるもの」とされていますが、本来自然布は一年を通して使われていたものです。この帯は透け感が少ないため、季節を問わずお楽しみいただけると考えております。
やや着用感のあるお品ですが、しっかりとした張りが残っており、まだまだお使いいただけます。使い込みほどに柔らかく、驚くほど柔軟になっていく藤布。その過程を存分にお楽しみください。
もはや衣類というジャンルを越え、織物ファンのコレクターズアイテムとも言えるかもしれませんね。
生産数少なく、今後はますます入手が難しくなることが予想される民芸品のひとつです。ぜひお手に取ってその風合いをご堪能ください。
※モデル着用画像は色味がやや異なって見えます。商品画像が実物に近いお色味です。
藤布 八寸名古屋帯 市松文
[寸法]
太鼓全長 / 113cm
太鼓幅 / 30cm
前部分全長 / 260cm
前部分幅 / 15cm[素材]
藤布[色]
彩度をやや落とした涅色 (参照:和色大辞典)[商品の状態]
やや使用感がありますが、傷汚れは無く良いコンディションです。
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